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臓器提供について知っていますか---運転免許証の様式変更

運転免許証の様式変更で、免許証裏面に「臓器提供の意思表示欄」が創設される。これには様式変更を超えて、臓器移植についての問題をはらんでいる。

臓器移植法の改正を経て変更となる「意思表示欄」は、現行の運転免許証でもなかったわけではない。ほぼ同じ文意の「意思表示のシール」を「この欄には、国家公安委員会の定める書面をはり付けることができます」という空欄に貼り付けることで代用されていたのだ。

だが、今度の様式変更では、国民の1.4人に1人(全国の16歳以上の割合)が所持するすべての免許証に、臓器提供の意志を表す記載がなされる予定だ。

交通事故で死亡した場合の臓器提供の意思表示は、他の場合での臓器提供とは違った課題を残す。

多くの運転者が思い浮かべる臓器提供の場面と、実際の場面が必ずしも同じとは限らないからだ。運転免許証への記載ということもあり、免許証所持者の大多数は運転中の事故を想定しているが、交通事故は運転中だけとは限らない。

交通死亡事故は年々減少しているが、減っている死者の多くは運転者や同乗者だ。自分の過失で臓器提供されるのは想定の範囲としても、過失ゼロで被害者となった運転者や歩行者の場合、免許所持者が、提供の意思表示をしていたとしても、遺族はとても納得できない。

「全国交通事故遺族の会」の会員で、家族を交通事故で失った被害者である佐藤清志氏が懸念するのは、この点だ。

「脳死状態に追い込まれる要因としてクルマによる被害が大きいところもある中、そのようなときの問題を、多くの者が所持しているだろうからと運転免許証に結びつけるのは論外」

現行の「意思表示シール」を選択する方法だと、臓器提供に関心の高い運転者が、シールを自分で貼って意思表示するか否かを選択するため、免許所持者がこうしたケースを想定しやすい。

運転免許証の様式変更で、すべての運転者に「臓器提供の意思表示欄」を提供するということは、こうしたケースもあるということを説明しなければならない。

警察庁の変更案では、新設された免許証の「意思表示欄」で「臓器移植を拒否する」という選択肢を選んで記入しておかない限り、免許所持者は臓器移植を拒否してないと見なされて、死後の判断は家族に委ねられることになる。現行のように、意志標示しないことは臓器移植しない、または関心がないという意思表示にはならないのだ。

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